「初戦ということもあり、難しい試合になった。何よりも勝ったことがチームにとって良かった。一丸となって戦った結果」(ホーランド監督) 他 [上海申花後コメント] | 「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

スティーブ ホーランド監督

「初戦ということもあり、難しい試合になった。渡邊(泰基)にしても松原(健)にしても(ジェイソン)キニョーネスにしても交代を考えていたが、どこでどのタイミングで、ということがあった。後半は攻守の切り替えが激しくなったが、チームはよく戦ってくれたと思う。後半に難しい時間帯はあったが、よかったのはしっかりと選手たちがコントロールできたことだと思っている。相手はロングボールを多用していたが、しっかりと跳ね返すことができた。そしてうれしく思うのは、公式戦の初戦だったが、プレシーズンからの成長も見えたし、チャンスもたくさん作った。何よりも勝ったことがチームにとって良かったことだと思う。一丸となって戦った結果」

――ホーランド監督はコーチ業が長かったと思うが、監督としての1勝の感想は?

「まずどの監督も新しいクラブの仕事に就いたときに思うのは、1試合でも早く勝利をつかみたいということ。それができたことによって選手たちの自信が高まると思うし、次につながると思っている。率直に今日の勝利はうれしいが、大事なことは明日からまた改善していくこと」

――負傷交代した喜田拓也選手の状態は?

「試合が終わってロッカールームからすぐにこちらに来たので、詳細はまだ聞いていない。軽く聞いたところでは、ハムストリングに違和感があったということだった。悪くはないと思うが、明日以降に画像を撮ったりすると思うし、そこでいろいろなことがはっきりすると思うが、軽い症状であることを願っている」

――明日からまた改善していくとのことだが、どのようなことを改善したいか?

「まず選手たちは本当によくやってくれたと思う。これ以上に何を求めればいいかと思うくらいにしっかりやってくれた。特に成長しなければいけないのはビルドアップのところで、相手のプレスをどう回避してボールを運ぶのか。ようやく回避したと思ってもまた後ろに戻ってしまえば元も子もない。そして相手からボールを奪った後に素早く攻撃に移るところ。それは早ければ早いほど相手が整う前に攻撃できる。今夜学んだことは、バスケットボールのような攻守の切り替えが速い展開が続くのはすごく疲れるし、ボールを奪った後は前方向に素早く行きたいと先ほど言ったが、そればかりだとうまくいかない。そこでいつ素早く攻撃に行き、いつどこでコントロールしなければいけないのか。そういう使い分けをもっとはっきり判断しなければいけないと思うし、そういう部分をしっかり見てやっていきたい」

――試合の序盤、ボールを運ぶことに苦労した要因や試合中に修正したことは?

「ゲームを読む時間、頭を使うことが大事。見てのとおり、今日の試合で相手は前の3人を残した状態で守っていた。奪ったらその3人に素早く当てようとする。その強みをわかっているのであれば、そこに通させないためにはどうしたらいいのか。それをまず考えなければいけない。自分たちがやろうとしているサッカーに集中するのも大事。自分は実際に先日行われた中国のスーパーカップの上海同士を見た。今日の相手が勝った試合だったが、その勝因は前の3人をうまく使って攻撃していたことだと見ていた。一番大事なのは、我々が何が得意で何を求めるのか。まず自分たちが何をするのか。そして相手がやろうとするサッカーをどれだけ止めることができるかということ」

――先月くらいから若く素晴らしい選手を見ていたと言っていたが、実際に今日はジャン クルードを使った。その理由は?

「すごくいい質問。出るべくして出た選手だと思っているし、自分は選手たちを平等に見ている。ベテランだとかお金を持っているとかこの選手を使わなければいけないということではなくて、自分は選手たちを平等に見ている。そして彼のパフォーマンスは素晴らしいものがあった。守備や規律に関してもっと伸ばしてほしいことはあるが、そこを改善すればボールを奪うことに関して突出した能力を持っている。ジャンはこれまでなかなかシニアのサッカーをしていないと思うし、トーゴでは代表としてプレーしているが、いろいろなポジションをやっていた。MFとしての役割を理解すればもっと伸びると思う。

もう1人、諏訪間(幸成)という大学生がいる。彼は特別指定選手ということでACLのレギュレーション上、登録できないと知った。本当に残念だし、彼にとってこういう大会に出られれば最高の経験になったと思う。浅田(大翔)という若いFW もいる。彼は先日からU-17代表に選ばれて10日間くらいいないが、彼も素晴らしい選手だ」

――今日のシャドーはヤン マテウス選手と植中朝日選手が組み、ヤン マテウス選手は得点し、植中選手は守備でハードワークしながら決定的なチャンスも作ったが、彼らの評価は?他にも天野純選手や遠野大弥選手、エウベル選手がいるが、起用法をどのように考えていくのか?

「見たままのプレーだったと思う。攻撃のときは3-4-3で役割は異なっていた。守備では5-3-2の形でヤンが一つ前だった。相手は中盤をダイヤモンドの形にしてきたので、3-4-3のままだと難しかったので、そのような形で対応した。ボールを持っていないときの役割はしっかりと言ってきた。攻撃の選手ではあるが、植中の役割としては相手の中盤のダイヤモンドのサイドの選手が横に流れたときについていくように求めた。ヤンと(アンデルソン)ロペスにも役割を与えていて、相手のセンターバックの2人を見ることと、1人が見に行ったらもう1人が相手のボランチを見るという役割だった。攻撃的な選手ではあるが、2人とも守備の役割を務めてくれたと思う。とはいえ彼らは攻撃的な選手であり、攻撃で相手が怖がるプレーヤーだと思う。植中はゴールに直結するようなチャンスをいくつか作ってくれた。昨年は少ない試合で4、5点取っているということだが、彼がもっと試合をこなせば2桁得点は可能だと思う。そして植中はチームのために闘ってくれる選手だし、ピンチの際にもタフなプレーをしてくれた。

ヤンはタレント性の高い選手であり、今日もゴールを決めてくれたが、簡単なゴールではなかった。彼だから決められたゴール。まぐれではなく、練習でもああいうゴールを量産してきた。昨年はロペスが得点王になり、彼が2番目のゴール数だったが、彼にチャレンジしてもらいたいのは2桁得点を取ること。質は申し分ないが、得点をもっと取っていくためにはボックス内にどれだけ入っていけるか。ただ入るだけではなく、入りにいく立ち位置やタイミングをもっと学んでいくことで2桁得点は夢の数字ではない。今日の彼らのパフォーマンスは素晴らしいものだった。

そのポジションには他の選手もいるが、毎試合10人替えるような監督ではない。自分としてはなるべく11人を崩さず、誰が見ても「これがマリノス」だと思える選手を選んでいきたい。今シーズンもたくさんの試合が待ち受けている。11人をなるべく固定したいが、まず不可能。軸を持つことは大事だが、試合数によって変えていかなければいけないし、そういうところもしっかり見ていかなければいけないと思う。一人ひとりが大事な選手だし、レベルが高い選手たち。必ず一人ひとりがピッチでプレーしているところを見られると思う。一つひとつのポジションに対して、与えてもらうのを待つのではなく、自分でつかみに来てほしい。競争心の高さを求めているし、一つひとつのポジションで自分をプッシュしていくかを見ていきたい」

DF 39 渡邊 泰基

「監督はかなり守備に重きを置いているので、無失点で終えられたことは良かった。でも内容だけを見たら危ないシーンもかなりあったので修正しないといけない。あとは攻撃のところでもうちょっと厚みを出せたら、という自分の感想はある。後ろの3枚とボランチ2枚は常に相手のカウンターへの意識を持っていた。そこはカバーできていたのかなと思う。時間が経つにつれて安定感は出てきたけど、カウンターの繰り返しになるのは90分の中であること。もうちょっと保持する時間を長くしたかったけど、そこは僕や後ろの選手が安定感を高めないといけない。修正点はいっぱいあるけど、初めての試合を1-0で勝てたことはプラスになる。

(ジェイソンと一緒にプレーした感想は?)めっちゃ体強いっス」

FW 14 植中 朝日

「守備のところでは自分のマークする相手が想定と違った立ち位置を取ってきて、前半の最初のほうはそこをどうするかを周りの選手とコミュニケーションしながら対応した。監督は失点ゼロを強調していたので、それは良かった。もともと点を取るのが仕事なので、このチームのファーストゴールを自分が取るんだという気持ちを持っていた。ゴールを取れなかったので前線の選手としては本当に悔しい。チャンスはあったので、そこを決めきれないと去年までの自分と変わらない。次のリーグ戦で結果を残したい。貪欲にならないといけないし、周りの同世代の選手はどんどんと結果を出している。自分もそこに負けないように、ロペス選手とも切磋琢磨したいし、結果を求めていきたい。殻を破る意味でも今日のチャンスをしっかりと仕留めないといけない。いいところまではいくんだよな、で終わらないようにしないといけない。

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