石破総理大臣とトランプ大統領は首脳会談の成果を共同声明にまとめ、発表しました。
共同声明では、冒頭、石破総理大臣とトランプ大統領が自由で開かれたインド太平洋を堅持するとともに、世界に平和と繁栄をもたらす日米関係の新たな黄金時代を追求する決意を確認したとしています。
安全保障分野では、日米同盟をインド太平洋地域の平和と安全の礎であり続けるとしたうえで、同盟の抑止力と対処力をさらに強化することが明記されています。具体的には、日本は自国の防衛力の抜本的な強化を改めて表明しています。一方、アメリカは、2027年度よりあとも抜本的に防衛力を強化していくことに対する日本のコミットメントを歓迎したとしています。そしてアメリカは核を含むあらゆる能力を用いた日本の防衛に対する揺るぎない関与を強調したとしています。また沖縄県の尖閣諸島にアメリカの防衛義務を定めた日米安全保障条約の第5条が適用されることを確認しています。このほか、▽自衛隊とアメリカ軍の指揮・統制の向上や、▽防衛装備品の技術協力の促進、それに▽沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への着実な移設も確認したとしています。
そして、協力を速やかに実施するため、外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」を早期に開催するよう外務・防衛の担当閣僚に指示したとしています。
宇宙分野では国際月探査プロジェクト「アルテミス計画」などでの強力な連携を続けるとしています。
また、AIなどの新技術の活用を含め、サイバー空間における2国間の安全保障協力を拡大するとしています。
経済分野では、両国は緊密な経済パートナーとして互いの国に質の高い雇用を創出していると指摘しています。そのうえで、二国間の投資と雇用を大幅に増加するほか、AIや半導体などの重要技術の開発で世界をけん引するために協力するとしています。また、中国も念頭に▽経済的威圧への対抗や▽サプライチェーンの強じん化、それに、▽自由で公正な経済秩序の促進などにも共に取り組むとしています。
さらに、互いに利益のある形でアメリカのLNG=液化天然ガスの日本への輸出を増やすことでエネルギー安全保障を強化する方針を盛り込んでいます。
自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力の一環として、日米豪印4か国のクアッドや日米韓、それに日米とオーストラリア、フィリピンといった多層的な枠組みによる協力を推進し、地域に質の高いインフラ投資をもたらすとしています。
中国の動向をめぐっては、東シナ海での力や威圧によるあらゆる現状変更の試みや、南シナ海での威嚇的で挑発的な活動への強い反対を確認したとしています。また、台湾海峡の平和と安定の維持は国際社会の安全と繁栄に不可欠だとして、両岸問題の平和的な解決を促すとしています。
さらに、台湾の国際機関への参加への支持を表明したとしています。
両首脳は北朝鮮の核・ミサイル計画に深刻な懸念を示し、完全な非核化に向けた確固たるコミットメントを確認したとしています。また、北朝鮮とロシアの軍事協力の強化を抑止し対処していく必要性や、日米韓3か国が連携する重要性を確認したとしています。
一方、拉致問題をめぐっては、日本が即時解決に向けた決意を表明したのに対し、アメリカは支持したとしています。
石破総理大臣が近い将来の日本への公式訪問を呼びかけたのに対し、トランプ大統領は受け入れたとしています。