山手線の線路でひびが見つかり、運転を見合わせる事態に。停車するはずの駅を通過するなど、混乱が広がりました。
■通期ラッシュ直撃…長蛇の列も
いつもは各駅停車の山手線。ところが…。
車内アナウンス
「ただいま鶯谷駅はドアを開ける手配が整っていません。そのためこの電車は当駅にて少々停車を…しますが、ドアは開きません」
その後、鶯谷駅で乗客を降ろすことなく列車は発車。
駅の利用者
「待ち合わせだった。鶯谷で止まって(ドアが)開かなかった」
駅の利用者
「本当に困りますね。理由を逆に知りたい」
そもそものトラブルは、午前7時半ごろ起こりました。山手線内回りの浜松町駅から新橋駅の区間で「信号が赤のまま切り替わらない」という異常が発生。安全確認のため、内回りの運転を見合わせます。
この影響で、埼京線や湘南新宿ラインも遅延。新宿駅には長蛇の列が…。通勤、通学ラッシュに混乱が広がりました。
そして、トラブル発生から2時間半後の午前10時ごろ、応急措置が取られます。
通常、浜松町駅では山手線の内回りは2番ホームを使用しますが、1番ホームに変更。
アナウンス
「1番線到着の電車は、山手線の東京・上野方面の電車です」
並行する京浜東北線の田町駅から田端駅の区間の線路を利用して、運転を再開しました。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳さん
「山手線と京浜東北線の電車が、田端駅と田町駅の間でお互いに行き来できる。たまたま、こういう所(区間)で不具合があったために、振り替えることができた」
しかし、鶯谷駅だけは別でした。
■なぜ、鶯谷だけ通過?
梅原さん
「鶯谷駅だけは、駅員がいなかった」
山手線は、通常11両編成。一方、京浜東北線は10両です。鶯谷駅の京浜東北線のホームドアは10両分しかなく、山手線の最後尾の1両分は柵になっていました。
梅原さん
「(ホームドアが)10両しか開かず、山手線の電車は通過していた」
柵の前に駅員の配置が間に合わず、安全のために通過せざる得なかったのです。
JR東日本によると、信号トラブルの原因は、線路にひびが入り、電気が正常に流れなくなったことでした。
山手線の運転が完全に再開したのは午前11時半すぎ、およそ5万6000人に影響が及びました。