小惑星ベンヌ、地球衝突で世界規模の大惨事招く恐れ 最新モデル研究(Forbes JAPAN) – Yahoo!ニュース

別のシナリオでは、ベンヌとの衝突で鉄を豊富に含む塵が生成されることで、鉄を微量栄養素とする単細胞生物の珪藻が赤道太平洋東部と南極海で衝突後3年にわたり大量発生する可能性がある。 論文の共同主執筆者のダイは「小惑星の衝突は、地球の歴史の中で何度も起きている。初期の人類の祖先は、地球規模の変化をもたらす衝突事象のいくつかを経験した可能性がある。これは人類の進化や遺伝子構造にも影響を及ぼしているかもしれない」として「突発的な事象が初期の人類進化に及ぼした可能性のある影響を定量化するための根拠を、今回の研究は提供する」と説明している。 ■生命の証拠? ベンヌは、はるかに大型の小惑星が破壊された際に放出された岩の破片や塵粒子で完全に構成されるラブルパイル小惑星だ。長年にわたって観測が続けられており、最近ではNASAによる調査が実施された。 2023年9月、NASAの探査機オシリス・レックス(OSIRIS-REx)が、2020年にベンヌ表面での短時間の操作で採取した塵や石の試料122gを地球に持ち帰ることに成功した。世界中の40以上の研究機関で分析した結果、ベンヌの試料には生命の材料となる物質が多数含まれていることが判明した。この中には、地球の生命がタンパク質の合成に用いる20種類のアミノ酸のうちの14種類や、地球の生命がDNAやRNAの遺伝情報を保存・伝達するのに用いる5種類の核酸塩基などもあった。 米首都ワシントンD.C.にあるNASA本部の科学ミッション局で副局長を務めるニッキー・フォックスは先週、「小惑星は、人類の故郷の地球に関するタイムカプセルを提供するものだ。ベンヌの試料は、地球で生命が誕生する以前に太陽系にどのような生命材料物質が存在していたかを理解する上で極めて重要になる」と指摘した。

Jamie Carter

Forbes JAPAN

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