時事通信 運動部2025年02月11日11時59分配信
今季からJ1川崎を率いる長谷部茂利監督(右から2人目)=6日、川崎市内
実に9季ぶりの監督交代。新シーズンへ向かう川崎の練習は、新鮮な空気と緊張感に包まれている。「(全員の)ベクトルが合わないことが嫌い。何を意識してプレーしたいかを合わせたい」と長谷部茂利新監督。指導では一体感を重んじる。
カギ握る守備改革 世界知るホーランド監督―J1横浜M・復権懸ける名門(中)
堅実な手腕は、昨季まで5年率いた福岡で示している。J2を行き来していたクラブをJ1に定着させ、2023年には初タイトルとなるルヴァン杯優勝。限られた戦力で個人、チーム両面の能力を最大限に引き出す力は高く評価される。
そんな指揮官が、攻撃自慢のクラブをどう導くのか―。現役時代はV川崎(現東京V)などで、技巧派のMFとして活躍したとあって、「本来は攻撃的な志向」とはクラブ関係者。ただ、攻撃には確かな蓄積と破壊力があるだけに、最初は大きく手を着けない考えのようだ。
非公開練習が多い中、取り組んだのは守備の改善。選手たちには、昨季の総失点57から「マイナス20」を提示。特に、失点のかさんだクロス対応に時間を割いたという。
福岡時代の5年間を見ると、J1昇格を決めた20年から総失点は29、37、38、43、38。この実績を見れば実現可能な目標設定で、安定した守備と昨季66点の攻撃力がかみ合えば、必然と優勝を争える位置にまで戻れる。
練習着のシャツはズボンの中に入れ、試合はスーツと決まっている。常に見られていることを意識し、「きっちりしていたい」。律義でも「性格は明るい」と言い、選手との対話を重ねて特長や短所の把握に努める。現役引退後はプロゴルファーを目指した時期もある53歳。現実主義の指揮官が、強豪にどんな変化をもたらすか。ベールに包まれた部分が多いだけに、楽しみは大きい。
最終更新:2025年02月11日11時59分